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アイ・シー・エス通商(株) 個別対応・一括比例解説 120217

●一括比例配分方式ではなく、個別対応方式の方を選択するメリットはどのような場合に生じるものでしょうか
Sheet1が、個別対応方式と一括比例配分方式の概念図になります(重々ご承知のこ
とで釈迦に説法だと思いますがご容赦下さい)。この概念図を下敷きとして、個別対
応方式が有利になるケースについて解説させて頂きます。
■課税売上対応仕入が多い場合(Sheet2・上)
 一括比例配分方式だと、課税売上対応仕入を全額控除できません。
 従って、課税売上対応仕入が多い場合には、個別対応方式を採用したほうが有利に
なります。
 具体例をあげると、卸売など仕入が多い事業などは、一般的に個別対応のほうが有利になります。
■課税売上割合が低い場合(Sheet2・下)
 期中、土地を売却した・有価証券取引を頻繁に行った等により、非課税売上が多額
となり、課税売上割合が低くなってしまった場合には、個別対応で処理をしたほうが
有利になります。
 逆に、一括比例配分方式のほうが有利な場合も申し上げます。
■非課税売上対応仕入が多い場合(Sheet3・上)
 こういう会社はあまりないかもしれませんが、有価証券売買や土地売買を主たる業
務として行っており、非課税売上対応仕入が多い場合には、非課税売上対応仕入が全
額控除できない個別対応方式より、一括比例配分方式のほうが有利になります(た
だ、こういう会社は課税売上割合も低めではありますが)。
■課税売上割合が100%に限りなく近い場合(Sheet3・下)
 課税売上割合が100%に限りなく近ければ、非課税売上対応仕入などはほとんどな
いでしょうし、どちらで計算しても結果に大差はなくなります。
 そうなると、日々の仕訳入力がラクな一括比例配分方式のほうが、経理事務の経済
性を考えてメリットがあると言えます。
※ただし、いずれの場合も、一括比例配分方式をひとたび採用すれば「2年しばり」
となるので注意が必要です。
 一般的に個別対応方式で計算したほうが有利なことが多いのですが、ごく一般的な
中小企業であれば、非課税売上は預金利息くらいでしょうから、その差はわずかです
(参考:イメージが掴めない例)
 商品をまとめて仕入れ、在庫を持ち販売するような場合、仕入の
 段階ではもちろん課税売上/非課税売上が確定しません。
 共通対応仕入として仕訳することになるのでしょうが、実際に販売した
 段階で課税対応仕入/非課税対応仕入に仕入の仕訳を分割して訂正入力
 するものでしょうか。それとも、元の仕入の仕訳で、共通対応仕入のままで
 よいのでしょうか。
 #そうすると、結局は共通対応仕入ばかりになって、一括比例配分方式
  とあまり差がないように思えます。また、個別対応方式を選択した
  メリットを活かせないのではないか、とも思えます。
 実務の上では仕入の段階で、非課税・課税どちらに対応するかわかるケースがほとんどです。
 なぜなら、非課税売上になるものは限定列挙されているので(土地、教科用図書、
身体障害者用物品などなど)、ほとんどの事業者が、「この商品は、売る時には課税
になるのか?非課税になるのか?」ということで迷うことは無いといえます。
 あえて、課税対応・非課税対応で迷うとすれば、一般管理費でしょうか。でも、一
般管理費のように判別不明なものは、最初から共通対応で仕訳をします。
 あと販売費は、その会社の販売商品が課税であれば、最初から課税対応仕入で処理します。
 以上、宜しくお願い申し上げます。
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